このブログでは、サラリーマンが副業で起業するためのノウハウを発信していきます。まずは私自身の経験から、個人事業で経営コンサルタントをやる場合の特徴的な側面(平たく言えば“あるある”)や成功の心構えなどを紹介していきます。今回は、個人で経営コンサルタントをやる「辛い面」をお話します。

すべてが自分の責任

当たり前のことではあるが、問題が起きても、失敗してもすべて自分の責任だ。言い訳の余地はまったくない。その分慎重になるし、リスクをとるときは損害の最大値を予測して、事業として吸収できる範囲で決断をする。サラリーマンの時は、それを営者がやってくれていた。独立をするということは、それをすべて自分で引き受けるということだ。

顧客を選べない

「良い面」で言っていることと真逆のことだが、これもまた事実だ。独立をすると、顧客が少なくて収入が足りない時期が必ずある。いつまでも貯金を取り崩し続けるワケにもいかないので、客を選んでいる場合ではない。収入が途絶えることの恐怖は、独立した者だけが経験する未知の世界だ。

仕事の合格点がない

経営コンサルタントの中でも、専門分野での調査などをサービスとして提供する場合は、成果物のゴールがないのでその量や質を定めにくい。ここまで調べたのだから顧客も満足するだろうと思っても確証はない。万が一、顧客の期待を下回るようなことがあれば、次の契約はとれない。個人で経営する人は、常にこのプレッシャーと戦っている。

飲み会、カラオケ、ゴルフの相手がいなくなる

私は、カリフォルニアで独立をして、その時から日本人の駐在員とは疎遠になった。日本で同じことが起こるかどうかは分からないが、少なくともサラリーマン時代の会社を通しての知り合いとは縁が切れると思ったほうがよいだろう。当然のこととして、飲み会やカラオケ、ゴルフの誘いはなくなる。

1日中妻と顔を合わせる(我が家の場合)

リモートワークで経験している人も多いと思うが、独立をすると1日中家にいる。昼間2階の仕事部屋から1階に降りると、妻にうっとうしい顔を向けられる。これまではいないハズの時間帯に夫が家にいると、その空間が圧迫されたように感じるらしい。

納税に追われる

個人事業主の場合は確定申告をして個人の所得税として納税するのだが、その仕組みを知っておかなければ大変な目に合うことになる。所得税は、3月に確定申告をして4月までに納税をする。前年の収入に対して算出された額の税金を一括払いする。これが結構な金額になる。それに予定納税を加えるとさらに増える。まして事業が成長していると、一年の前半は利益の半分くらいを税金で取られる感覚になる。

仕事が無くなる恐怖が常につきまとう

業種に関わらず独立をすると、事業のすべての責任が自分ひとりにかかってくる。独立をしたその日から「昨日と同じ明日が来ないかもしれない」ことを実感する。これはサラリーマン時代には味わったことのない恐怖だ。それだけで胃に2つくらい穴が開く。

だれにも相談できない

独立をして自分で事業をやるということは相談相手がいないということだ。自分の事業は独立した存在なので、経営に関わることは他人には相談できない。運よくロールモデルになる人が見つかって、その人との信頼関係を築くことができれば、唯一の相談相手になってくれるかもしれない。

休めない

「昨日と同じ明日が来ないかもしれない」という恐怖に支配された精神状態で呑気にゴルフにいくことは、私にはできなかった。仕事がなくても何か“仕事”をやっていないと不安でしかたがない。逆に、常に仕事をしていることが、精神安定剤の働きをしていたと思う。アメリカでは “24/7”(トゥエンティフォー・セブンと読む)という。1日24時間、週7日と言うコトで、つまり年中無休という意味だ。自営業で独立をすると、まさに24/7を実践することになる。

だれも褒めてくれない

サラリーマンの時も褒められた経験はないが、独立するともっと褒められない。自分がうまく仕事ができているだろうと思える唯一のエビデンスは、同じ顧客が長く契約を続けてくれいるという事実だけだ。褒められることを期待せずに、ひたすら誠実にサービスを提供し続けることだけが、自己実現への道なのだ。

孤独 - 孤独に耐えられない人には無理

これまで述べてきたことをすべて総合すると孤独であることがわかるだろう。だが、孤独は悪いことではない。そしてこれは本当の孤独ではない。私には家族がいる。そして古くからの友人が数人いる。それで充分だ。会社で群れてうわべだけの付き合いで飲みに行く相手は友達ではない。それがなくなって“孤独”に耐えられないと思う人は独立すべきではないと思う。