日本人の給料が上がっていないことは、3年前からTechnoScapeのブログ「アメリカで見つけた新技術の話」 でも訴えてきました。今年に入って円安が加速して物価の高騰が始まって、やっとマスコミは日本人の給料が安いことを騒ぎ立てています。
一方、日本企業はここ数年、社員の副業を認める会社が増えています。その背景には、定年延長や再雇用の義務化など企業の雇用に変化が出てきたことがあります。企業側としては、雇用を流動化させて、より優秀な社員を確保することが必要になるからです。昨年「45歳定年制の導入」というサントリー社長の発言が波紋を呼んだのもこのためです。そして、厚労省は企業に副業を認める際の条件の公表を求める方針を打ち出しました。勤め先を選ぶときに、副業のしやすさを判断材料にできるようにするためです。
サラリーマンが副業をする場合、複数の会社で働くというのが最も考えやすい形でしょう。メインの会社を週休3日にして、残りの時間を使って別の会社で仕事を掛け持ちする。あるいは投資やユーチューバーをやる人もいるでしょう。いずれも、自分の得意とするスキルを使ってより効果的に収入を得ようとする活動です。
ソロプレナー ”Solopreneurs” という言葉は、起業家を意味する ”Entrepreneur” に一人の”Solo”を合わせた造語で、自分のもつ能力を使って複数の仕事を掛け持ちでやる人のことをいいます。10年ほど前にシリコンバレーで使われ始めた言葉です。
スモールビジネスは、サラリーマンが副業を始めるときの選択肢のひとつになります。その際、自分が仕事でやっている専門分野で起業をするのが、もっとも成功する確率が高いのです。また、自分の専門分野で能力を向上させることで、自分のビジネスと会社の仕事の両方にプラスに働くというシナジーが得られることが期待できます。
例えば、仕事の合間に勉強をしてファイナンシャルプランナーの資格をとって、それを副業として収入を得ている人もいます。Webデザインはスキルさえあれば資格は必要なく、設備投資も少なく始められるのでハードルは低いでしょう。ただし、競争も激しいのでうまく特徴を出したり、確実な営業ルートを持つ必要があります。
いずれも簡単ではありませんが、自分の好きな仕事で収入を得ることができて、将来それを本業にできる可能性も秘めています。
小さいとはいえスモールビジネスも一つの独立した事業なので、事前の準備をして、法規に則って営業し、決算書を作って納税をしなければなりません。なにも会社を作る必要はなく、個人事業主の形で始められますが、それでも決算と納税申告は必要です。
このブログでは、そういったソロプレナーになるために必要な知識や情報、そして私自身の経験をもとにしたアドバイスなどを発信していきたいと考えています。
起業のプロセスについては、eブックの「ソロプレナーという働き方~サラリーマンが副業で始める個人事業~」で解説していますので、興味のある方はそちらを購読してください。